ゲームのしかた

2016年8月31日 (水)

1グループの机の適正面積

 HUGでは、普通よく見かける会議室机を3脚集めてひとつの島を作るようにお願いしています。

 ここで、普通よく見かける会議室の机というのがどんなものかが問題になりますが、横幅が180cm、奥行きが45cmの机です。机のサイズは皆さんあまり気にかけたことがないと思いますが、測ってみると上記のサイズだと思います。
 この机3脚を集めて並行に並べます。すると長い方が180cm、短い方が45cm×3=135cmになります。この上に体育館や敷地図、教室の図面を置きます。
 先ほど、机のサイズはあまり気にかけたことがないのではと書きましたが、時々奥行が60cmの机があります。豪華な会場や議会関係の机にこのサイズが多いようです。この机を3つ並行に並べると、長い方が180cm、短い方が60cm×3=180cmとなり、180cmの正方形になります。これだと、少し広すぎますので2脚で実施してください。
 180cm四方だとなぜ広すぎるかですが、一つ目は向かいに居るプレイヤーとの距離が遠くなりすぎ、声がとどきにくかったり表情がつかみにくかったりすることがあります。相手との距離が遠くなれば大きな声を出すようになり、会場が騒がしくなって臨場感がでるのだからいいじゃないかというと、そうでもありません。180cmというのは、畳の長い方の長さより数センチ長いくらいの距離ですが、この距離になると相手との疎遠感が出てきます。
 もう一つの理由は、机の上に置いた図面に手が届きにくくなるということです。相手との距離が120cm、135cmの場合は、身を乗り出すと届きますが、180cmになるとちょっときつくなってきます。
 HUGでは、プレイヤー全員が時には役割分担をし、時にはいっしょになってカードの配置や図面への書き込みを行っていきますが、手が届かないところにあるものは、文字通り「手の出しよう」がありません。次から次へと押し寄せてくる避難者や情報に全員で対処していくためには、すべてのメンバーが手がすいたら他の人の手伝いをしたり、協力して対処することが必要ですので、手が届かないよりは手が届く方が良いということになります。
 では、奥行45cmの机2つならどうかということですが、2つですと図面を置くスペースが不足します。
 ときどき、空いている机を見つけてきて隣に置き、教室置き場に使う光景が見られますが、これもあまりお勧めできません。教室置き場の近くにいる人にしか、誰が教室に配置されているかがわからなくなってしまうからです。
 でも、会議室机3脚じゃやっぱり広さが足りないという方もいらっしゃるかと思いますが、私物や配付された資料、グループの番号が書かれた立て札など、余分なものをすべて机の上から下ろしてやってみると、ギリギリでできることがわかると思います。面積が足りなくなってきたら、図面や教室を少し重ねておくとかの工夫をすると何とかなります。
 何回も何回も試してみての結果ですので、できれば幅180cm×奥行45cmの机3脚(奥行60cmの机の場合は2脚)でひとつの島を作ってやってみていただきたいと思います。

グループ間の距離

 HUGは、基本的に複数のグループで実施していただくようにしています。その理由は、確定的な答がないゲームですので、複数グループで実施して相対評価ができるようにするためです。

 では、グループ間の距離はどれくらいが良いのでしょうか。
 HUGでは、各グループで読み上げをして会場を騒がしくし、避難所の混乱や喧騒といった臨場感を出すようにしていますが、そのためにはグループ間の距離は近い方が良いと思います。隣のグループの人とイスの背中がくっつきそうになるくらい、司会者(進行管理者)が体を横にしてグループの間をすりぬけることができるくらいの距離で大丈夫です。
 グループ間の距離が近いと、隣のグループの声がよく聞こえます。よく聞えてうるさいので、こちらのグループではもっと大きな声を出すようになります。すると今度は、あちらのグループではこちらのグループの声が騒がしいので、さらに大きな声を出すようになります。こうして、お互いが隣に負けないように大きな声を出すようになるので、自然と会場全体が、あたかも混乱した避難所のように騒然とするというわけです。 
 会場を賑やかにするという意味では、壁との距離も近くてかまいませんん。いくつかのグループを入れて会場が一杯になるくらいがちょうどよい広さです。
 グループ数に対して大き目の会場しか取れなかった場合は、グループを片方に寄せ、残りの空間との仕切りとして、掲示板用に使うホワイトボードを使うことをお勧めします。こうすることにより、ホワイトボードが反響板代わりになって会場を騒がしくすることができます。また余った空間との仕切りをすることによって、体験会の会場に一体感と賑やか感を生むことができます。

HUG体験会の会場

 HUG体験会を実施するときの会場はどんなところが良いのでしょうか。

基本的には、普通のあまり豪華でない会議室が最適です。
 なぜあまり豪華でない方が良いかというと、HUGでは避難所の臨場感を出すために、各グループで読み上げをして会場が騒がしくなるようにしていますが、豪華な会場の共通点としては、天井が高いとか、静粛性があるとか、とても広いなどの特徴があります。
 会場を騒がしくするためには声が壁や天井に反射することが重要になってきます。
 天井が高いとその分だけ空間が広くなり音の反射が弱くなります。また、天井に取り付けられた照明から机の高さまでの距離も遠くなるため、手元が少し暗くなりカードが読みにくくなる場合があります。豪華な部屋の天井の照明は、一般的にやや控えめな場合が多いように感じます。
 次に壁ですが、豪華な会場の場合、静粛性が重要になるため布のような音を吸収する素材が多く使われていますが、その分だけ音の反響が弱くなります。また、布張りの壁はほとんどの場合壁にセロハンテープを貼り付けることは禁止されていますので、壁を掲示板代わりに使うこともできません。また、ドアや窓なども高級品が多いため壁と同様にセロハンテープは禁止のことが多くなります。
 さらに、床についても豪華な部屋の場合は、絨毯風のものが多くなり音が吸収されてしまいます。
 これに対して、普通の会議室の天井は高くなく、照明も机の上の資料の文字が十分読める明るさの場合が多いようです。
 また、壁はコンクリートや石膏ボード、金属性などの場合が多く音がよく跳ね返ってきます。ホワイトボードの数が揃わない時に、窓にセロハンテープで掲示物を貼り付けることを許可していただける場合もあります。床も音を反射しやすい素材であることが多いように思います。
 窓は豪華な部屋も一般的な会議室の場合もガラスですが、豪華な部屋の場合は、ほとんどの場合ガラス面へのセロハンテープは禁止です。これに対して、会議室の場合は、セロハンテープで掲示物の貼り付けを許可していただける場合もあります。窓に掲示物を張り出すとかなり臨場感がでます。
 広さについては、豪華な会場は当然のこととしてかなりの広さが確保されていますが、数グループで実施する場合など、壁との距離が遠くなってしまい反響も悪いし、賑わい感も出すことができません。
 普通の会議室の場合は、サイズもいろいろあるので、グループ数に見合った会議室で実施することになりますので、室内を騒がしくすることができ、賑わい感も出るし、熱気ムンムンになる場合も多く、臨場感を出すのに最適です。
 HUG体験会は、豪華な会場で実施する必要はありません。普通の会議室で実施してください。

1グループの人数

 HUGは6~7人でひとつのグループを作り、複数のグループで実施しますが、1グループの人数は7人以内を推奨しています。 

 7人(うち1人は読み上げ係になるので、プレイヤーは6人になります。)以内を推奨している理由はいくつかありますが、基本的には、仕事がなくて暇な人、退屈な人を発生させないためです。
 何回も試験実施し、また多くの体験会を実施してきましたが、会場の広さや用意できる机の数と参加者数の関係で、やむなく1グループ8人、9人で実施したことも何回もあります。しかし、総合的に判断するとやはり1グループの人数が8人以上になると暇な人が出てきます。
 HUGでは「楽しさ」を最重要視していますが、忙しさとか充実感も楽しさのひとつだと思います。したがって、「暇、退屈」と「楽しさ」というのは基本的には両立しません。グループの中で一人でも暇そうにしている人がいると、どうしてもその存在が目に写り、グループの他のメンバーにも影響が出てしまいます。
 では、少ない方は何人までOKかというと、1グループ5人(プレイヤー4人)の場合は、要求される仕事量に対して人数が不足するように感じます。
 また、プレイヤーが4人になると、キャラクターが不足するというか、個性が不足してくるということもあります。人はそれぞれが個性的な存在ですが、明るい人、控えめな人、よくしゃべる人、無口な人・・・というような個性はおそらく何人に一人という確率で存在しているのですが、様々な個性が揃うというのも楽しさの一つではないかと思います。人数が少なくなればなるほど個性の数も減少するので、楽しさもその分だけ減少するように思います。
 それから、プレイヤー4人だと、見た目が少し寂しい感じもします。お店でいうと、お客さんが少なくて閑散とし、繁盛していない店のような感じになってきます。あまり感覚的にとらえるのもどうかと思いますが、楽しさの中には、賑わい感のようなものもあるので、賑わい感を得るためにはやはりプレイヤー5人は欲しいところです。
 
 その他の理由としては、体験会の運営時間との関係になってきますが、1グループの人数が増えれば増えるほど自己紹介や意見交換に要する時間が長くなってきます。少し話の長い人がいても6~7人までなら全体の中でその時間を吸収しやすいのですが、8人とか9人になってくるとそれも難しくなってきます。
 上記のような理由で、1グループの人数は6人~7人を推奨しています。
 

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