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2018年4月24日 (火)

避難所の課題<マニュアルの課題>

  家庭用電化製品や電子機器、ソフトウェアなどを購入すると付いてくる取り扱い説明書、マニュアル。あまり読む気にはなりませんが、読まないよりは読んだ方が使い方がよくわかるので、できるだけ読むようにしています。一度読んでおけば、使い方で何か困ったときやもっと便利な使い方があるはずだと思ったと時などに、そのことがマニュアルに書いてあったかどうか、何ページくらいに書いてあったかを多少覚えているので、改めてマニュアルを開いて製品や機器の現物あるいはソフトウェアの画面と「にらめっこ」しながら読むことになります。防災訓練のときに倉庫にしまってある発動機のエンジンを掛けるときなど、大抵起動方法を記載したラベルに汚れがこびりついて読みにくかったり、光の加減で読みにくかったり、チョークの場所がわかりにくかったりということが多いので、なんだかんだで苦労することが多いのではないでしょうか。

 これがマニュアルの通常の使い方だと思います。つまり、まずはマニュアルを読むことができて、時間の余裕がある程度あって、マニュアルに書いてあることを理解し、対象物とマニュアルを比べながら一歩ずつ段階的に読み進めながら操作してみるということです。

 それでは避難所運営マニュアルはどうでしょうか。確かに避難所運営マニュアルには良いことがたくさん書いてあります。しかし、それを使うときは大地震が発生し、心が動転し、自分も周囲も混乱し、家具や棚から本が落ち、さらに停電しているときではないでしょうか。そんな時に、「ちょっと待てよ、マニュアルはどこにしまったかな」、「停電して真っ暗だけど、スマホの明かりで読めるかな」「えーっと、最初に何をするんだっけ」などという調子でマニュアルを読みながら事に対応することができるのでしょうか。

 消防でいえば、夜中に火災が発生して緊急出動したときに、「ちょっと待てよ」と車の明かりを頼りにホースのつなぎ方のマニュアルを読んだり、はしご車の展開の仕方のマニュアルを読んだりしないのと同じ。つまり緊急事態が発生したときには、基本的にマニュアルを読んでいる暇はないということです。なぜなら、それが緊急事態だからです。

 このたとえ話が地震発生時の避難所運営と似ているかどうかは微妙なところかもしれませんが、ここで言いたいのは、マニュアルは平常時に活用するものであって、緊急時に活用するものではないのではないかということ。つまり、緊急時用のマニュアルというのは、それ自体が少し矛盾を含んでいるのではないかということです。

 よく「本番のときは、練習しておいたこと、身についていることしかできない」と言われますが、避難所運営マニュアルは、平常時にそれを読みながら練習するためのものであって、本番のときに探し出して読むものではないはずです。しかし、マニュアルがあるから大丈夫、マニュアルがあるから何とかなるはずという感じで避難所運営マニュアルは緊急時に使うものという感覚があるような、そこのところが少しあいまいになっているように感じます。


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