リアルHUG
たぶん3~4年程前からだと思いますが、「リアルHUG」という言葉をネットでときどき見かけるようになりました。
いろいろ思いを巡らせたところ、HUG経験後の実働訓練は意義あるものではないかということがわかりました。
HUGを開発したのは、実働で避難所運営訓練をやろうとしても、どうしても待ち時間が長くなってしまったり、大勢の参加者の移動に時間がかかったり、赤ちゃんや妊産婦、認知症の人、外国人、寝たきりの人・・・など様々な要配慮者に実際に参加していただくのが困難なこと、それから実働訓練ではどうしても全体を俯瞰してみることが困難なので、自分がやっていることと全体との関係がよくわからなくなりがちなこと、それから主催者に指示されて動くことが多くなり、自ら考え、決定する経験を積めないなど、様々な理由があるからでした。
リアルHUGというのは、別の言葉で言えば、今まで実施されてきた避難所運営の実働訓練ですから、あまり新規性はないはずです。それなのになぜわざわざ「HUG」というネーミングでやるのか。きっとHUGを実施した後で実働訓練をやってくれているのだと思います。
そうだとすると、実働で動いている参加者の頭の中には、HUGで体験した様々な状況が浮かんでいる、つまり避難所運営全体のことを把握した上で、今自分がしていることを全体との関係で位置づけながら行動していることになります。そうだとすると、これまでの実働訓練と見た目は同じでも、頭の中は全然違うということです。
いつもHUG体験会の後で、自分たちが避難する学校の敷地図、間取図を使い、そこに避難する住民、その学校に配置される行政職員、その学校の教職員の3者でHUGを実施することが一番効果的だから、ぜひやってみてくださいとお願いしていますが、リアルHUGは、もう一歩先まで行っているということで、実施するまでの準備と当日の運営が大変かもしれませんが、意義深い取り組みだと思います。
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