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2017年6月 5日 (月)

読み上げは各グループで行う

 避難所の喧騒感や混乱、切迫感を演出するために、読み上げは各グループで行うようにお願いしていますが、いつか必ず次のような意見が出てきます。

「読み上げは、会場全体に対して1本のマイクで読み上げたらどうだろう。その方が各グループの進み方も同じになって平等だし、何よりも合理的だ。」

 私たちは、合理主義の世界に生きているので、常に、より合理的なものを求めているし、合理的なことが正しいことと考えています。また、不平等より平等を求めています。

 従って、合理的とか平等という観点から読み上げについて考えていくと、会場全体に対してマイク1本で行おうということになると思います。

 しかし、そうした場合、各グループで読み上げた場合に比べて、読み上げとプレイヤーのタイミングが会わなくなる可能性があります。同じグループで読み上げていれば、読み上げ係はプレイヤーの動きや顔色を見ながら、絶妙のタイミングで読み上げていくことができます。しかし、マイクではそうはいきません。マイクでの読み上げの場合は、早々と配置をして次の読み上げはまだかと待っているグループがある一方で、議論が白熱してまだ前の前のカードの対応を相談しているグループがあったりなど、読み上げとプレイヤーのタイミングが合わなくなる可能性があります。

 また、マイクでの読み上げは、臨場感を演出することについてはマイナス効果になります。各グループで読み上げる場合は、プレイヤーが大声で話していても、読み上げ係がプレイヤーの中に割り込んで顔を近づけて大声で読んだり、動作で次のカードを読むことを示して注意をひいてから読むことができます。しかし、マイクでの読み上げの場合は、プレイヤーはある程度静かにしてマイクの声に集中しないと、聞き洩らしてしまいます。そうなると、どうしても会場を静かにする働きになってしまいます。また、グループの中ではなく、どこかにあるスピーカーにも集中しなければならなくなり、集中先が分散されてしまいます。このように、マイクでの読み上げは臨場感を演出することに対してはマイナスの効果を生むと思われます。

 上記のとおりですので、読み上げは各グループで行うようにしてください。

 

 なお、読み上げ係を含めて、ほぼ全員がHUGを初めて体験するという場合には、読み上げの手本を兼ねて15番カードまでマイクで読み上げることがありますが、その場合でもすでに各グループで大声で相談を始めているので、マイクの声が届いているかどうかはよくわかりません。

 ゲームの最後に、「これで終わりますので着席してください」とマイクで放送しても、多くの場合は、各グループのプレイヤーにマイクの声が届かないので、各グループを回って直接終わりにする旨を伝えることがしばしばです。

 上記のとおり、マイクの声がプレイヤーに届いているかどうか確認することは困難です。そういう意味でもマイクでの読み上げはお勧めできません。


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