HUG体験会の準備<進行管理者>
ゲームの説明の準備
ゲーム当日の進行管理者になった場合、まずゲームのしかたについての説明の準備をしておく必要があります。
※以下「進行管理者」とは、ゲームのしかたの説明、ゲーム中の全体の進行管理、振り返り・意見交換の時の進行役、司会者のことです。
付属CDにマイクロソフト社のパワーポイントが入っているので、それを開くと図に示すような作業画面が現れます(もし、別の画面が表示される場合は、表示>標準を選択します)。
画面左側(Aの部分)に小さなスライドがいくつか表示され、その中で現在選択しているスライドが画面右側の上段(B)に大きく表示されます。よく見ると、そのスライドの下に幅の狭い横長の画面(C)があります(Cの画面が狭くてよく見えない場合は、BとCの境目の線を上に移動させると幅が広がります)。
このCの部分に、このスライドの時に話すシナリオが書いてあるので、これを読めば説明することができます。棒読みでも大丈夫です。
新しいバージョンのパワーポイントでは、手元のパソコンの画面に、プロジェクターに表示されている画面のほかに、このシナリオの画面も表示させることができますが、古いバージョンの場合はその機能がないので、事前に印刷して少し練習し、当日手元に置いておけば安心です。
画面とシナリオを同じ紙に印刷するには次のようにします(Microsoft PowerPoint 2010の場合)。ファイル>印刷>と進み、設定の2 番目のボックス(規定値で「フルページサイズのスライド」と表示されてるところの▼をクリック>ノートを選択します。バージョンによって違うと思いますので、よくわからない場合はインターネットで「パワーポイント ノートの印刷」などで検索してみてください。
女性参加者の振り分け
防災関係の講演会やイベントを実施する場合、一般的に女性参加者が少ない傾向にあります。参加者50人中、女性が3人という場合もよくあります。
HUG体験会を実施する場合、事前に参加者が決まっていればグループ分けをしておくことが多いと思いますが、グループ分けにあたっては女性参加者をひとりずつ別のグループに割り振っていただければと思います。グループ分けがしてなくて、当日参加者が自由に席に着いた場合で、女性が複数いるグループとひとりもいないグループがあった場合は、その場で組み替えをして、できるだけどのグループにも女性がいるようにします。主な理由は下記のとおりです。
・女性と男性では考え方、感じ方が違うので、男性ばかりよりは女性に入っていただき、女性の考え方を理解する必要がある。
・避難所は生活の場だが、生活関連のことは女性の方が圧倒的にノウハウがある。
・妊娠や出産、授乳など、女性でなければわからないことがある。
・一般的に男女混合の方が楽しくできる。
読み上げ係の打ち合わせをどうするか考えておく
以下の読み上げ係の打ち合わせを、いつ、どこで、どうやってやるかを考えておきます。
ア 読み上げ係が事前に決まっている場合
事前に決まっている場合は、読み上げ係に少し早く集まってもらい、読み上げのコツを説明しておくことができます。
イ 読み上げ係をその場で決める場合
ゲームの説明、アイスブレイキング(簡単自己紹介)が終わり、通路や地区割りを考える時間に、取り急ぎ各グループで読み上げ係を決めていただき、会場の一角に集まってもらい打ち合わせをします。
読み上げ係打ち合わせの内容
打ち合わせの内容は、以下の読み上げのコツの説明、プレイヤーに指示しないことですが2~3分で済みます。
・今のカードを配置している途中から次のカードを読み上げる(プレイヤーは、次のカードの内容を聞きながら、今のカードを配置する)。実際の避難所に押し寄せる避難者は待ってはくれないのでこのように読み上げる。
・参加者も読み上げ係も、ほぼ全員がHUGを初めて体験する場合は、1番から15番までのカードを進行管理者がマイクを使って見本として読み上げ、16番以降を読み上げ係が読み上げる。
・プレイヤーに指示しない理由は、指示されるとプレイヤーは自由な発想ができなくり自分の頭で考えるのをやめてしまうからです。
※最初から最後まで進行管理者がマイクでカードを読み上げるのは、下記の理由でお勧めできません。
・避難所の喧騒や混乱などの臨場感を演出できなくなる。
・マイクでの読み上げと各グループのプレイヤーのタイミングが合わなくなる。
挨拶が長くならないように
時間配分の中で一番やっかいなのは、挨拶の問題です。
事前の打ち合わせでは、2~3分で終わるはずの挨拶が10数分かかってしまうことはよくあることです。しかし、そうなるとその分だけゲーム時間にしわ寄せがきます。HUGは2時間でできるよう設計してありますが、この中に挨拶の時間は入っていません。
したがって、事前の打ち合わせで、挨拶を短くしていただくよう調整しておく必要があります。当日になって、現場に挨拶しそうな人が2~3人いる場合は、スタッフの方にもう一度伝えるのが良いと思います。
それでも挨拶が長くなることはあるので、進行管理者はそうなることを想定しておいた方が良いでしょう。
会場、机上のチェック等
会場、机上の準備を一緒にする場合は問題ありませんが、そうでない場合は会場に着いたら、念のため次の事項をチェックします。
・各グループの机の並べ方、全体の配置
・机上の準備品は揃っているか
・ホワイトボードはあるか
・パソコンとプロジェクターは正しく動くか
十分事前調整しておいたはずでも、それがうまく伝わっていないことはよくあることです。机の配置は、参加者が揃ってから全員で動かしてもらえば短時間でやり直せますが、使用する図面やグッズが不足している場合は急いで準備し直さないといけないし、パソコンとプロジェクターの相性が悪い場合もあります。したがって、会場には、できれば1時間前、少なくとも30分~40分前には入る必要があります。
ホワイトボードを移動するタイミング
ホワイトボードは、掲示板として使うものなので、黒板でも衝立(ついたて)でもかまいませんが、数が足りないことが良くあります。
そういう場合は、グループとグループの間に配置し、片面ずつ使うようにすればよいのですが、最初から配置しておくとゲームの説明が見にくかったり、ゲームの後もそのままにすると、振り返り・意見交換の時、発言者が見えにくくなるので、移動する必要があります。
したがって、ホワイトボードをいつ、だれが、どこへ移動するか打ち合わせをしておくと良いでしょう。
なお、広い会場で実施する場合は、余分なスペースとゲームエリアを区切るような形で配置することをお勧めします。こうすることにより、ホワイトボードが反響板になり、会場の声が拡散することを防ぐことができます。また、余ったスペースとの仕切りにもなるので、余分なものが見えなくなり、集中してゲームに取り組めるようになります。