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2017年3月31日 (金)

HUGの福祉避難所への対応状況

 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン(平成28年4月内閣府防災担当)」では、福祉避難所の候補として下記の3つをあげています。

 1 小中学校や公民館などの一般の避難所

 2 宿泊施設

 3 老人ホームなどの社会福祉施設


1 一般避難所内へ福祉避難所(福祉避難スペース)を設置する場合

  上記ガイドラインでは、小学校や公民館等の一般避難所の中に、福祉避難所機能を持った福祉避難スペース(室)を設置することも一つの方法であると提案しているのですが、HUGを開発した平成19年度時点では、このようなガイドラインがなかったので、小学校に避難してきた避難者の中で、皆と体育館で一緒に過ごすことが難しそうな人については、別室つまり教室などに配置することを考えていただくようにしました。そして、災害対策本部から福祉避難所を開設するのでそちらに移動してもらう候補者を選定しておいてほしいという連絡があったという設定にしてあります。

 したがって、小中学校の中に福祉避難スペースを設置し、そこに要配慮者を配置することについては、すでに対応済みということになります。ただ、現状では配置するだけなので、福祉避難所として要配慮者対応をもう少し考えるために、もう少し専門的な内容を追加していきたいと思います。

 なお、小中学校以外の公的施設等を福祉避難所として使う場合については、風水害バージョンや要配慮者バージョンで公民館や児童館の図面を作成してあるので、これらの図面を使ってシミュレーションすることができます。


2 宿泊施設を福祉避難所として利用する場合について

 宿泊施設を福祉避難所にすることについては、東日本大震災で宿泊施設が二次避難所として利用された例や、市町村が宿泊施設と協定を締結している例もあります。

 ホテルや旅館などの宿泊施設は、もともと快適に宿泊するための施設ですので、学校の教室などに比べれば、居心地が格段に良いのですが、要配慮者の面倒を誰がみるのかという課題があることも確かです。

 HUGの姉妹ゲームに、ホテル旅館バージョンというものがあります。これは元々は、ホテルや旅館などに避難者や帰宅困難者が殺到した場合どう対応すればよいかを考えるために開発したものですが、 避難者の中には当然要配慮者も混じっているわけですから、宿泊施設を福祉避難所として活用する場合についても対応済みということになります。

 宿泊施設と一般避難所の最大の相違点は、宿泊施設には既存の宿泊者がいるという点ですが、ホテル旅館バージョンでは既存の宿泊者も設定してあるので、既存宿泊者とのやりくりについても考えることができます。

 なお、ホテル旅館バージョンでは、和室、洋室の両方がある中規模の宿泊施設の図面を用意してあります。


3 社会福祉施設を福祉避難所とする場合

 福祉避難所の最も一般的なイメージは、老人ホームなどの社会福祉施設を福祉避難所として活用することだと思います。事実、多くの市町村では社会福祉施設と福祉避難所の協定を締結しています。

 社会福祉施設は、もともと要配慮者が利用するための施設ですから、設備も整っているし専門知識がある職員も大勢いるので、福祉避難所として最も適切な施設として期待されています。

 ただ、施設側としては、もともと既存の入所者、利用者への対応で精一杯なところに、職員も被災した中で、さらに要配慮者の受け入れができるのかという大問題があることも事実です。

 社会福祉施設については、入所施設と通所施設がありますが、入所施設の場合は、既存の入所者とのやりくりなどの問題も生じてきます。

 HUGでは、まだ社会福祉施設を舞台にしたバージョンは作成していないので、今後作成していく予定です。


4 妊産婦さんへの対応

 要配慮者の中で、忘れがちなのが外国人と妊産婦だと思われますが、妊産婦さんについては、要配慮者バージョンで多数の事例を設定してあるので、必要に応じて要配慮者バージョンの中からピックアップしたものを既存のカードに混ぜて実施することもできます。その他、オプションカードにも少しだけ要配慮者を設定してあります。



 



 

 



 



 

 




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