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2017年2月 3日 (金)

災害対策本部~そこに行けば、今何が起こっているか、すべてわかる場所~

 大災害が発生すると行政機関には災害対策本部が設置されます。 

 災害対策本部というのは、いつもあるわけではなく大災害などが発生したときに臨時に設置されるものです。 県や市町村では、災害対策本部に使う部屋がいつも用意されているところと、普段は会議室などに使っていて、災害が起きた時にその部屋を災害対策本部として使うところがありますが、大災害が発生すると、一般職員や幹部職員、自衛隊や防災関係機関が大急ぎでそこに集まり、被害情報を収集・整理し、それを元に対応を協議・決定していきます。そこには、多くの電話、ファックス、無線、パソコンなどの情報機器があり、非常用発電機からの電気が供給され、集まってきた関係者の作業スペース、幹部職員と防災関係機関が対応を協議する大机、情報をとりまとめるための地図や、情報共有のためのホワイトボードなどがあります。 

  災害対応の中で一番初めにやることは、被害情報の収集と整理ですが、これがすべての基礎になるのである意味一番大切なことです。被害情報の収集と整理がうまくできていれば何がいいかと言うと、災害対策本部に行けば今何が起こっているのかがすべてわかるということです。

 災害対策本部の定義をわかりやすい言葉で書いたものはあまり見たことがないので、とりあえず、この「そこに行けば、今何が起こっているか、すべてわかる場所」を災害対策本部のイメージとしたいと思います。


 さて、これから考えてみたいのは県や市町村などの災害対策本部ではなく 、事業所や社会福祉施設、自治会や自主防災組織、避難所などの災害対策本部についてです。

 「えっ、災害対策本部って県や市町村が設置するものじゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、災害対策本部という名前が付いていなくても、関係者がそこに集まり、被害情報を収集し、共有し、対応を協議・決定し、実行するということをやるのであれば、それがその組織の災害対策本部ということになります。

 社会福祉施設を例に考えてみると、大地震が発生したら急いで入所者や通所者、職員の安否確認、建物の被害状況の確認、 火の元の点検などをすると思います。そして怪我人がいれば病院に運び、連絡が取れない人がいれば何らかの方法で連絡がとれるよう努力し、建物に被害があって危険なところがあれば立ち入り禁止にするなどの対応を取ると思います。

 その時に、施設長などの幹部職員がいれば、これらの状況を逐一報告し、対応を協議し、 対応策を実施していくと思いますが、この一連のことが災害対策本部の機能であり、これを行なっている場所が災害対策本部室ということです。

 災害対策本部を機能させるためには、関係者が集まって相談するスペースが必要になります。できれば地図や施設の図面を広げるくらいのスペースが欲しいところです。また 安否確認や建物の被害状況をみんなで共有するために、それらの情報を張り出すスペースも欲しいし、コピー機や電話、ファックス、パソコンなどの情報機器も近くにほしいところです。

 ここで問題になるのは、災害対策本部はどんなところで何をするところなのかというイメージがない場合、災害対応をするための場所、つまり災害対策本部をどこに置こうかということそのものを考えていないということが多いことです。

 災害対策本部にする場所を考えていない場合は、おそらく普段から関係者がいる場所である事務室や施設長室、あるいは会議室に集まることになると思いますが、事務室には大きな机もあまりないし、壁もスチール書庫になっていたり、いろいろな物が置いてあってごちゃごちゃしていると思います。施設長室は多少スペースに余裕はあるかもしれませんが、電話が1台くらいしかなく、皆でいろいろなところに連絡を取るのに不都合な場所です。会議室は広くて良いのですが、事務用品やコピー機もないでしょうし、電話も1台くらいしかないのではないでしょうか。

 これらの中のどこかを災害対策本部室として使うことになると思いますが、災害対策本部のイメージが分かっていれば前もって どの部屋でどんなことをするか考えることができます。

 災害対応は、初動が勝負です。スタートがその後のすべてに関係してきます。

 まずは、災害対策本部のイメージを共有することが大切だと思います。


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